滅する者

入社式

新入社員は、緊張感あふれる状況に混乱を隠せていなかったが、社員たちが迅速に対応し、新入社員たちを別の場所へ移動させた。

その後会社案内が終わり、昼食の時間となる。
昼食時間からは、一年間お世話になる先輩と共に過ごす。
新入社員は緊張と期待に包まれていた。一年で営業や事務処理、製薬など多岐にわたる分野での経験を積むことが求められる。それをサポートするのが、昨年入社した先輩たち。先輩たちはすでに席に着いており、食堂がざわめく中、新人たちが渡された番号の席に着く。彼らの表情はそれぞれ異なり、先輩たちの視線が新人に向けられる。温かい笑顔を見せる者もいれば、緊張した面持ちの者もいる。

そんな中麗奈は慌てていた。麗奈は不安な気持ちで周囲を見渡した。周りでは、他の新入社員たちが先輩たちと和やかに挨拶を交わし、楽しそうに会話をしている。「どうしよう…」と呟く彼女の心には、孤独感と緊張が入り混じっていた。周りの賑やかさが、ますます自分を引き離すように感じる。

と、そこに美雷が現れて着席する。
「ごめん、遅れた。一年間よろしく」
麗奈は美雷の出現に戸惑いながらも、自己紹介をした。「私は守光麗奈です。よろしくお願いします」と声をかけたが、美雷は何も言わない。。
その反応に、麗奈の心には不安が広がった。「最悪な一年になりそうだ…」と感じつつも、その想いを飲み込んだ。周囲の明るい雰囲気とは裏腹に、自分だけが孤立しているような感覚が彼女を包む。

通夜のような昼食の後、交流会が始まる。
交流会が始まり、新入社員は先輩とペアになって様々な催しを選ぶことができる中、美雷は麗奈の意志を無視し、彼女の手を引いて病魔模擬戦室へと向かっていった。麗奈は驚きと戸惑いを隠せずにいた。「ちょ、ちょっと待って」と声をかけようとしたが、美雷はただ無言で歩き続け、彼女を引きずるようにして進んでいく。それでも文句を言わなかったのは、希望通りの場所に連れていかれていたからであった。模擬戦室に着くと、すでに他のペアが集まっていた。病魔に立ち向かうための訓練が行われている場所で、緊張感が漂っていた。

病魔と戦うために必要不可欠な武器の滅器は、滅菌者専用の武器であり、それぞれの持ち主に応じた特殊な力を引き出す。

美雷は、精悍な表情で日本刀を手に取り、そのまま腰に帯刀した。麗奈は小刀を握り締め、その感触に心を落ち着けようとする。彼女は美雷の後ろを着いていくが、緊張と期待が入り混じった心境で、彼女の背中を見つめる。