4人が本棚に入れています
本棚に追加
「おばあちゃん特性の特効薬、効いたみたいねぇ」鬼の千樹、別の名を癒しの千樹。。千樹の真の力は、目の前の症状に合わせて即座に自然由来のワクチンを作り出すことだ。体内の不調を的確に見抜き、必要な成分を自然の薬草や素材から抽出し、瞬時にその場で処方する。
「さぁ立ちなさい、そしてちゃんと深呼吸して。美雷ちゃん、ちゃんと教えたでしょ.怒りは心に秘めて!行くよ」千樹のおかげで普段の自分を取り戻した美雷、身体の痛みは消えてはいないが、先程よりも心が軽い。
病魔は「臭い臭い、腐敗した果実は求めてない。お前は消えろ」と叫びながら、千樹目掛けてウイルスの霧を吐き出した。千樹はその霧を巧みにくぐり抜け、刀を振り下ろして病魔の体を斬りつけた。
千樹は「あら失礼ね、でも果実は腐りかけが1番美味しいのよ」と微笑む。
千樹に続くように、美雷は一気に飛び出し、力強い拳を病魔の顔面に叩きつけた。「雷撃!」と言う言葉と共に、病魔は衝撃に耐えきれず、彼方へと吹っ飛ばされた。美雷は一瞬の戦況を見極め、迷うことなくすぐに店内から外へと脱出し、空へと飛び上がった。
上空で彼女は指を弾き、轟音とともに雷鳴を響き渡せる。その音はまるで美雷の怒りのように、各地に散らばる煉、空、姫華に居場所を知らせるために鳴り響いた。
比較的近くにいた煉は、美雷の位置を確認すると、すぐさまその方向に駆け出した。彼の心臓は高鳴り、足は自然と速さを増していった。
その際、煉は通信部に急いで連絡を取る。「姫柊さん、しののんは近くにいる?いたら代わってほしい!」すると、すぐに「了解」という声が返ってきて、しばらくして東雲の声が聞こえた。
「煉、緊急の時はしののんはやめなさい。で、要件は何?」「美雷、煉、姫華、空…あと梅さんの神装解放許可が欲しい!」煉は焦りを感じながら叫んだ。「あいつが俺たちに居場所を知らせるってことは、緊急事態ってことだからよ!」
東雲はすぐに白神へ連絡するといい、通信を切った。
神装
色の力を最大限に引き出すことが出来る滅菌者に発現する力。厳しい鍛錬や死の淵に立った時、結婚した時、発現条件は様々あるとされる。詳しいことはまだ分かっていないとされる。
美雷は滅菌者、最速で神装を会得しており他3人もある件から使用できるようになっていた。
2人と対峙する病魔は、両手を挙げておどけたように言った。「ダメだダメだ。分が悪いなぁ…うーん、やっぱり極上にありつくには苦労しないとだなぁ」その言葉には、どこか不気味な自信が漂っていた。それを見ていた美雷の胸がドクンと鳴る。嫌な予感が胸を締め付け、彼女は反射的に病魔に向かって走り出したが、少し遅かった。
最初のコメントを投稿しよう!