ミリしら脱出ゲーム〜東海道川崎宿迷子紀〜

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 近所のゲームセンターがリニューアルに伴い臨時休業となり、どこで暇を潰したらいいか話し合った結果、まぁ体を動かさず暇つぶしのできる場所と言えばゲーセンしかないよねってことで、俺と白雪と(かいらぎ)は川崎にある廃墟チックなゲームセンターに来ていた。  なぜ片道一時間近く掛かる川崎のゲームセンターに来たのかは言うまでもない。いつも通り白雪の発作だ。    区大会を控えていることもあり、顧問から体を休めるよう厳命されていた……されていたのだが、既に部活メイト二人がDDRをプレイしてしまった以上、もう気にしないほうがいいかもしれない。 「あ、またミスった。一応ノーツは見えてるんだけどなあ……ひょっとして俺って音ゲーのセンス無い?」 「安心して白雪。……ひょっとしなくても無いから」 「うん、庇いようが無いリズム感の無さ……いや、音痴だからなんとなくは察してたけど流石に酷すぎる」 「二人とも酷すぎねぇか、おい。じゃあ紬やってみろよ!」 「いや、俺はいいよ……知らない曲のサビで交代とかキツそうだし遠慮しとくね」  白雪に苦笑を浮かべそう言うと、鰄は踵を返しぽしょりと。 「それに、俺……釣りゲーで忙しいから」  おい。 「一曲くらい手本見せてやってもいいんじゃないか?」  俺が訊くと、白雪を呆れた目で見ていた鰄が言った。
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