ミリしら脱出ゲーム〜東海道川崎宿迷子紀〜

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 鰄と白雪と一緒に、京急線を金沢文庫駅で降りて、タクシーに乗った。十分後、鰄たちが降り、その後都合二十分かけて家に着いた。  汗のベタつきが気持ち悪く、帰宅してすぐに風呂に入ることにした。  駄目だと思いつつも風呂場にスマホを持ち込むと、風呂蓋の上で喧ましく震動する。どうせ、あの二人だろうと思いつつもスマホを確認すると案の定で。 《あのさ、さっきのアプリなんだけど二人のスマホにはまだ残ってる?》 《あ、そういえば見当たらないね》 《あれさ、玄関潜るまではたしかにあったんだけど。潜った瞬間に消えたっちゅーか元から無かったみたいにアプリの使用履歴すら無いんだよね》  一応確認すると、たしかに使用履歴がどこにもなく怖気が走るが、機械に疎い鰄には些細なことのようで。 《あ、そうだ。白雪途中で何枚か写真撮ってたよね。あれミヤ先に見せたら羨ましがりそうじゃない?》 《それが、その写真なんだけど。加工してないのに白黒なんだよ。それに、居なかったはずのまろ眉の女の人とか写ってるし何がなんだか》
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