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変わり映えのない景色。
舗装され、歩きやすく整備された道。周りには青々とした木々が生え、その根本には花まで咲いている。あれはパンジーだろうか。よく見かけるような花が寸分の狂いもなく並んでいる。きっと町の誰かが植えたのだろう。
もう何度この道を歩いたのだろうか。
歩くスピードはそのままに、私はついため息をついた。このルートしか歩けないとはいえ、さすがに毎日全く同じ景色だとうんざりもする。
変わり映えのない道。何かがあるとすれば野生動物が顔を出すか、町人以外の旅人を見かけるくらいのものだ。
時折顔を出す野生動物も可愛いもので、ほとんどがうさぎのような小動物や猫のような動物のみだ。
森の中には大型の動物もいると聞くが、生憎私のようなただの町人は森に入ることなどできないし、入ろうとも思わない。
結局は毎日毎日同じ道を、毎日毎日なんの変化もなく歩くしかないのだ。
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