どろろ

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どろろ

手塚治虫の作品で一つだけおすすめするならどれか、と聞かれたら、私は迷わずこの作品を推したい。「どろろ」は、ブラックジャックや鉄腕アトムなどと比べたら、あまりメジャーではないが、間違いなく隠れた名作だ。 この作品は、設定から興味をそそられる。主人公の百鬼丸は、生まれたときから手や足、目や鼻など、体のほとんどのパーツがない状態で生まれてきた。これは、父親が悪魔にある願いをしたために、48体の妖怪に各パーツを奪われたのだ。そして、百鬼丸は、自分の体を一つずつ取り戻すため、48体の妖怪達と戦っていくのだ。 百聞は一見にしかずなので、アズマの説明など聞かずにとっとと書店で買ってほしいのだが、一つだけ追記しておくと、実はこの作品は水木しげるに対抗して作られた漫画なのだ。水木しげるの漫画に感化されて描いた作品、しかし、結果としては「ゲゲゲ」の方が人気が出て、あまり日の目を見ることはなかった。けれども、私は、今現代でこの作品が出たら、間違いなく売れると思っている。それこそ、鬼滅と肩を並べる作品になったのは間違いないだろう。 そんなあり得ない「たられば」を言っても仕方がないので、これを読んだ皆様は、すぐにでもこの作品を読んでいただければと思う。どろろと百鬼丸の旅に、興奮すること間違いなしだ。
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