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根本的な解決法にはならないという事か。
「でも、猫の餌は何とかしたいですね」
「猫の餌といえば……商店街にある100円ショップにも猫の餌って売ってるんですね。山積みになっていて、結構買う人いるんだなあって」
志穂が面接の前に暇つぶしで行ったという。
「100円ショップか」
「何か心当たりがあるんですか?」
「私もたまに利用するんだけどね。ペットグッズのコーナーで伊藤さんを何度か見かけた事があるのよ。その時は犬を飼ってるからだと思ってたんだけど」
「その時、その伊藤さんとやらが飼い犬のフンで注意された腹いせをしようと思ったって事ですか?」
志穂がメジャーを鞄にしまいながら言う。
「おかしいわよね。腹いせするだけなら、自宅で出たゴミとかでいいわけでしょ」
「確かにそうですよね。じゃあ、嫌がらせなんかじゃ無くて、猫好きが餌をあげ過ぎちゃっただけって事?」
志穂がそう言いながら首を傾げた。
「あげるなら、片付けまでちゃんとして欲しいですよね」
私の言葉に幸枝がぴくりと反応した。
「もしかして、普通に考えれば良かったのかしら」
「え?」
幸枝は深刻な顔で窓の外を見た。
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