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「さ、寒くない!? 自販機行ってくるわ! お茶でいい? 甘いのがいい? いや、決めたらLINEして!」
だって野矢はもう泣いちゃいそうだからひとりにしてあげないと、って言い訳だとわかってる言い訳。デカい声出したけど震えてるし、それでもうバレてるけど自分の方じゃん。泣きたいのは。
野矢が軽く頷いたのだけ見て、走って走って廊下の途中で鼻水が先に止まんなくなって、野矢だったらティッシュも持ってんのにおれはハンカチも持ってないよ、そういうダサい男だから最初っからだめなんじゃん、でもダサいけど、好きな子に言わなきゃって思ったこと言わなくてどうすんだよ、でも自分勝手だったのかも、正解なんてないのに勝手に踏み込んで、おれなんでこんなすぐ泣くんだろ……。
自販機に120円入れてとりあえずカフェラテのボタンを押したのに出てこなかった。え、ってなっておつりボタンを押したけど返ってこなかった。
こんなことで、もうめちゃくちゃになって、半屋外の購買前の自販機にめちゃくちゃに雨風が吹き込んで、うるせぇよ全部うるせぇよ、高校生のお小遣いをなんだと思ってんだよ、って、バカな話だけどへたり込んじゃった。屋根はあるけどへたり込んだコンクリートも強い横風で濡れてて、もう全部嫌になっちゃった。全部。
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