「善」「悪」が無い世界

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「善」「悪」が無い世界

『おい、起きろ…』 『いつまで、寝ているんだ!』 僕の前に仁王立ちしている人物は… 鼻の下から首筋まで髭を生やした兵士であった。 その兵士は上下の迷彩服を身に着け… 自動操縦のマシンガンを持ち… マシンガンの先端で僕の体を小突いた… そして… 目を開け、起き上がった僕に… 『お前はこの国で暮らす事を望んだ…』 『この国には何が「善」で何が「悪」なのかが不明だ?』 『政権も法律も存在しない無政府の国だ…』 『お前はそんな世界を選び俺達の仲間となった…』 『俺達は俺達のやり方でこの国で暮らす…』 「ギャー…」 部屋の外から断末魔が響き渡った… 僕はゾッとして仁王立ちしている兵士を見た… するとその兵士は僕の顔を見て… ニャリと笑った。
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