12人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
「善」「悪」が無い世界
『おい、起きろ…』
『いつまで、寝ているんだ!』
僕の前に仁王立ちしている人物は…
鼻の下から首筋まで髭を生やした兵士であった。
その兵士は上下の迷彩服を身に着け…
自動操縦のマシンガンを持ち…
マシンガンの先端で僕の体を小突いた…
そして…
目を開け、起き上がった僕に…
『お前はこの国で暮らす事を望んだ…』
『この国には何が「善」で何が「悪」なのかが不明だ?』
『政権も法律も存在しない無政府の国だ…』
『お前はそんな世界を選び俺達の仲間となった…』
『俺達は俺達のやり方でこの国で暮らす…』
「ギャー…」
部屋の外から断末魔が響き渡った…
僕はゾッとして仁王立ちしている兵士を見た…
するとその兵士は僕の顔を見て…
ニャリと笑った。
最初のコメントを投稿しよう!