コソダテ屋敷のリノアールが選んだ道

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 シゴトダラケ村には、とある屋敷に続く一本の道がありました。  その道を通るのは、必ず子どもを連れた大人たちです。  そして帰ってくるのは大人だけ。  でも、陽が沈むころになると大人たちだけがその道を通り、朝一緒に通った子どもたちと帰ってきます。  この数行から察せられるように、その屋敷は子どもを持つ人々のための屋敷で、「コソダテ屋敷」と言います。  お仕事だらけの目まぐるしい日々ばかりの村では子育てが全くと言っていいほどできません。しかし、子どもを産まなければ人は増えない。これでは村に人がいなくなってしまう。それはまずい、と村で権力のある人々が悩んでいる中、1人の貴婦人が立ち上がり出来上がったのがコソダテ屋敷なのです。  自分は子どもが産めない体である中、子どもが大好きな貴婦人、リノアール。
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