コソダテ屋敷のリノアールが選んだ道

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 最初は「子どもの産めない女に子育てなんて出来るのか」と疑う人ばかりで数人しか屋敷には来ませんでした。  でも、リノアールは心の底から子どもが大好きな女性でした。子どものためなら何でもできる女性でした。裕福な旦那様に嫁いですぐ旦那様が病気で亡くなったリノアールの懐は村で一番と言っていいほどあるがために、食事も、玩具も、部屋も、最高級のものばかり。そこへリノアールの深い愛情が加わると、子どもたちはリノアールのことがあっという間に大好きになりました。  それが口コミで広がっていく内に、子どもは増えていきました。  その分、夫人の資金はさらに潤いました。子どもを見てもらえることに感謝した村人がたくさんの資源やお金をくれるからです。  それと同時に、リノアールの仕事は増えていきました。  流石に一人ではやっていけないと子ども好きの人を雇おうとしたリノアールでしたが、子育てを知らない人ばかりの村では「子育てってどうせ子どもと遊ぶだけでしょ?」と思い遊びに来るような若い者ばかり。実際の仕事量を知ると「こんなの聞いていない」と去っていくのです。  リノアールが限界を感じるのに、そう時間はかかりませんでした。
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