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自分はどこに向かっているのだろう?と不思議に思ったけど、疲労でよくわからなくなっているリノアールは進み続けました、すると、青く透き通った湖に辿り着いたではありませんか。
リノアールが惹かれるままに湖に近づくと、ゆるやかな波紋を生みながら金色の髪を頬に垂らした女性が現れました。
「いらっしゃいリノアール」
水に全く濡れていないサラサラのボブカットで、神々しい真っ白な衣を纏った彼女をリノアールは女神だと思いました。なんせ、自己紹介をしてもいないのに自分の名前を口にしたのですから。
「リノアール、貴女はどちらの道を選びますか?」
そう言って、女神は続けます。
女神はまず、左手を持ち上げました。
「右の道は、このまま天に向かい働かなくていい楽園へと続く道」
女神は、一旦手を下ろすと反対の手を持ち上げました。
「左の道は、楽園へ行けぬ変わりに不死を手に入れ好きなだけ好きなことを出来る道」
女神は手を下ろし腰の前で綺麗にそろえると、ピンと背筋を伸ばして微笑みます。
「簡単に言えば、楽な道と、苦難だらけの道。どちらを選びますか?」
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