1

1/1
前へ
/21ページ
次へ

1

はたらくと聞いて、肉体労働を思い浮かべるボクは資本主義に毒されてると思う。資本主義は本来、先進国が安い労働力を回収する作用らしい。 はたらく、はた(他人)をラクにする!を誰かから聞いてうぜぇーと思う。ボク、タカシは高校3年生。今、進路に悩んでいる。ボクには憧れの女性がいた。リカだ。田辺理香。理って、名前が付いているが、リカは頭が悪い。小学生のとき、いつもフリフリのロリータ服をまとい。授業中、先生に問題をいつも当てられたが、答えられなかったし。やっと偏差値45の高校に入れた。(リカと一緒の高校に入りたかった、ボクはレベルを下げてリカと同じ高校に入った、ボクはもっとバカだ。) けど見た目は、ボクのすごくタイプだ。高校に入って同じ中学ということで、ボクとリカは近いところにいたはずだが、心の距離は遠かった。 リカは高校に入ると、バイトを始め。その金で、遊びに興じるようになった。友達とカラオケやボーリング、朝帰りなど。一通りやっていたみたいだ。 廊下でリカとボクがすれ違うとき、リカはボクに蔑みの目で見てくる。それでもリカと接触できるだけでうれしい。ボクは変態だ。高校二年生までは放送部の活動で、それなりに忙しかった。放送部に入ったのも、友達の無理やりな誘いで。自分から積極的なアプローチではなかった。そうではあったが、ボクとリカが最高潮に接触できたのは、ボクが高校三年生の春。文化部の発表会があって、放送部はコメディーの発表をやった。それがリカにウケたのか。ボクと友達が帰宅の途についていると、リカが一人で寄ってきて。アンタって面白いと言ってくれた。ボクはその言葉がうれしくてたまらなかった。進路に悩んでいたボクは大学へなどには進学せず。就職の道を模索していた。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

48人が本棚に入れています
本棚に追加