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三ヶ月後。店内に入ると確かにおしゃれだと思ったが、ここが特別すごいところという意識はなかった。待合室という部屋が存在していて、まずそこで待機していた。しばらくすると、コーディネーターという女性に呼ばれて。軽く世間話をしたあと、どの美容師がいいか、顔写真と経歴が書かれたカードを見せられた。 その中に金髪に髪の毛を染めたリカがいた。あっと思ったが、ブロックがうまく嵌まるようにスッキリした気持ちになった。 「この女性にします!!」 ボクは迷わず指名した。しばらく経つと、リカが現れた。久しぶりの再開だった。驚いた素振りもなく、なんとなく向こうから話しかけてきた。 「久しぶりだね。高校のとき、放送部がんばっていたよね。それは覚えているよ」 リカは高校時代と見違えるようにしゃべりかけてきた。 「覚えてくれて、うれしい」 ボクは答えた。 「髪の毛、あんまり伸びてきてないみたいだけど。最近切ったでしょ」 「そうですね。それよりも、リカさんの金髪目立ちますね」 「あら、アナタも茶色とかに染めてみる?」 「んー、条件があるなっ。リカさんとライン交換できたら、してもいいけど」 「そのくらいなら、いいよ」 二人はスマホを手に取り、通信してライン交換を無事した。ボクは宝物を手に入れた気分になった。ボクはリカが提案した通り髪の毛を茶髪に染めることになった。染料の入ったクリームを髪に塗った。まんべんなく塗り終えると、しばらく間を置くことになった。 その間も、この店ではリカが側にいて、話し相手になってくれた。リカが話しかけてきた。 「職場ではうまくいっていますか?」 「そうだね、いってるよ。リカさんは楽しく働いていますか?」 「そうだね。働いているよ」 「働いたお金で使うものって、なんですか?」 「一人暮らしをしているから生活費とかかな。余裕があるとき洋服かな」 「鬼滅の刃って、見てますか?」 「見てるよ。超ーっおもしろいよね」 リカはスマホを取り出すと、スマホの待受画面が鬼滅の刃のキャラクターの炭治郎になっていることを見せてくれた。そんな会話をしているうちに、クリームを落とす段になった。クリームを水で洗い流すと、きれいな茶髪にボクはなった。 「カッコいいじゃん!」 リカは褒めた。リカが褒めるとボクは心地よい。リカにしっかりと見送られながら、店をあとにした。
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