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だんだん周りが白くなってきた。
霧かな?珍しいな…そんなことを思っているうちに、周りは白一色で塗りつぶされて…
「何も見えないじゃない!」
霧に怒っても仕方ないとは思うのだけど、この状態には一言言っとかないと。
(……ん?)
シャンシャンと言う規則正しい音が近付いてくる。
それとは別な音も聞こえた。
(これって……)
ある想像をしながら、私は霧に包まれながらその場に立ち尽くしていた。
「あ!」
不意に私の目の前に、白い馬が現れた。
私の想像は当たっていた。
現実に聞いたことはないけど、馬の蹄の音じゃないかって思ったんだ。
馬っていうか、馬車だ。
馬の首の周りには鈴が付いていた。
シャンシャンいってたのは、これだったんだね。
「お迎えに参りました。」
「えっ!?」
馬の後ろに座っていた御者が、馬車を降りて私に声をかけた。
でも、お迎えって何?
しかも、なんで馬車?
「さぁ、早く。」
「え…?」
御者は、馬車の扉を開く。
えーー…なんか、すごく怪しいんだけど。
まるで、夢でも…
(あ、そうか!?)
私、眠ってしまったんだ。
今日は飲みすぎたもんなぁ。
そうか、そうか、これは夢なんだね。
だから、こんなにおかしな状況なんだ。
やっと、今の状況が理解出来たから、私は素直に馬車に乗り込んだ。
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