0人が本棚に入れています
本棚に追加
道を辿る
生成色に艶めく紙に残された文字を指でなぞる。
本という形に収められたページという名の大地に、多くの物語が宿る。
活字で表される誰かの物語は、どうやって産まれたのだろう。これを記した人間は、何を見て、何を聞き、どの様な道を辿ってきたのだろう。
私は物語に浸る時、よくその様な考えに想いを馳せる。
よく国語の授業などで『この時の作者の気持ちを考えなさい』といった問題が出題されるが、あれは私に近しい人間が考えた問題なのだろう。
活字とは、文字とは、その人の歩んできた道だ。
日々を過ごす上で、前を向いて歩かない限り書けないものだから。
最初のコメントを投稿しよう!