Ⅰ 妹

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 「ねえね。だいすき。」  突然ハルが私を見てそう言った。そんな言葉、どこで覚えたんだろうか。いや、そんなことはどうでもいい。そう言われたことが何より嬉しくて、私は思わず笑みをこぼした。  「私も大好きだよ。」  そう答えると、ハルは笑って私にぎゅっとくっついた。ハルの小さな体の温もりが毛布の中をさらに温める。私もハルに擦り寄って、その手をしっかりと握った。  大好きだよ。  そう心の中でもう一度言って、私は眠りについた。
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