II おじいさん

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II おじいさん

 目が覚めると、知らない家にいた。最初に目に映ったのは二段ベッドのベッド裏で、私は一段目で眠っていた。木製のベッドの脚は黒が混ざったような茶色で古い様子だった。ぼうっとする頭で横を向く。部屋は小さめで、丁度この二段ベッドが三つ置ける広さだった。ベッドの足元の方に出入口があり、部屋の奥には木の机が一つ、木製の椅子がきちんと収められてあった。卓上を照らすように窓が一つつけられている。カーテンの隙間から見える外の明るさからするに、今は恐らく昼頃だろう。  力を使いすぎたんだろう、疲れた体を何とか起き上がらせて私はベッドから降りた。そこで気がついたが枕側の壁には横並びに犬の写真が二枚飾られていた。一体ここはどこなんだろう。回らない頭であったことを思い出そうとした。
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