Ⅰ 妹

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 「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」  ハルが抵抗しようと暴れながら甲高い叫び声を上げた瞬間、明かりのついていたリビングの電球が割れ、停電が起きた。そして更に続く声に合わせて花瓶やお皿が次々に割れていき、私は咄嗟に耳を塞いでその場にしゃがんだ。ハルの声とガラスの割れる音の間に両親がパニックを起こす声も聞こえた。そしてハルがその叫び声をやめて泣き始めると、それ以外の音は止んだ。  あ、もうだめだ。  しゃがみながら私はそう思った。
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