攻める僕、耐える翔ちゃん※

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攻める僕、耐える翔ちゃん※

僕はひたすら欲望のまま突っ走りたかった。当然だよね?僕は翔ちゃんが大好きなのだし、元々貞操観念が低い人間なのだから。けれど、翔ちゃんは違ったみたいだ。 身体の中心を震わせるほど熱くしながら、僕から身を引き起こした。僕はお互いの熱さを分かち合いたくて、無意識に翔ちゃんを追いかけていた。実際僕は翔ちゃんに抱きついているのだから、いくら身を引こうが離れるわけじゃない。 触れる唇はそのままに、僕は翔ちゃんが息を殺しているのに気がついた。さっきまで熱かったお互いの口の中は今や閉ざされて、僕は悲しい気持ちで翔ちゃんを見上げた。  「侑、これ以上進んだら色々不味い。…侑はまだ中学生なんだから、こんな事しちゃいけない。」 生真面目な翔ちゃんの言いそうな事だと少し面白く思いつつも、僕の膨れ上がった欲求不満は止まることを知らなかった。僕は赤らんだ顔の翔ちゃんと目を合わせると、甘える様に言った。 「翔ちゃん、僕もっと翔ちゃんと触れ合いたいよ。ダメなの?もうちょっとだけ…。ね?だって僕は一人で慰めたりするし、それくらいは中学生だって、付き合っている二人だったら自然の事なんじゃないの?‥最後までとかは僕でも確かに怖いけど。別にそこまでしようって言ってる訳じゃないでしょう?」  すると一文字に唇を引き絞っていた翔ちゃんが大きく息を吐き出して言った。 「ああ、本当に侑にそこまで言われたら、俺も我慢できない。…俺だって侑の身体を撫でて、可愛がって、舐めて、気持ち良くしてやりたいんだ。今そうするのが正解かなんて分からないけど。」 僕は抵抗を諦めた翔ちゃんの、彫りの深い顔を指先でゆっくりなぞりながら囁いた。 「僕と翔ちゃんは付き合ってる。真面目な関係だよ?僕に触れて…?」  最後は緊張と興奮で声が掠れてしまって、妙に甘えた口調になってしまった。翔ちゃんにもう一度ぎゅっと抱きしめられて、僕たちの身体は、服越しでもすっかり興奮しているのを分かち合った。ああ、翔ちゃんのあそこは僕よりずっと大きい。多分先輩のモノよりも。 翔ちゃんにゆっくりと揺さぶられて、僕はますます張り詰めていく。ああ、でもそれだけじゃ足りない。すると翔ちゃんは僕のカットソーの下に手を入れて、僕の肌を直接撫でた。    硬い大きな手に撫でられて、僕は経験がない訳じゃないのにゾクゾクが止まらなかった。口から漏れる甘い声は胸のてっぺんを指先で弾かれた時に、止める間も無く大きく部屋に響いた。 僕を覗き込んだ翔ちゃんが、僕の目を見つめながら感じやすいそこを撫で回して指で摘んで愛撫すると、僕は喘ぐのが止まらない。 「…ああ、可愛い。侑のその声俺にもっと聞かせて…。」 そう言いながら顔中に触れるだけのキスを何度も落とす翔ちゃんの耳元で、僕はますます喘いで、焦れつくこの快感を逃していた。  不意に身を起こした翔ちゃんに上半身を脱がされて、僕は常夜灯の薄赤い光の中で見下されていた。 「侑は細いと思ってたけど、綺麗に筋肉がつき始めているんだな。でもこんなにスベスベで綺麗なんて。」 そう掠れた声で言いながら、ゆっくりと指先で僕の胸や腹をなぞった。僕は翔ちゃんの指先を掴んで胸のてっぺんに押し付けて囁いた。 「…ここ好き。さっき凄く気持ちよかった。」 翔ちゃんは眉を顰めると、僕の唇に押し付ける様なキスをして言った。 「本当に、侑は困った子だ。止まらせないんだから。侑、大好きだ。」  そう言いながらギラついた顔で僕を見つめて、もう一度僕にとろける様な深いキスをした。ああ、翔ちゃんのくれる僕の口の中を犯す様な深いキスは僕を震わせる。何度しても足りない気持ちなのは、僕の張り詰めた身体のせいなんだろうか。 その時翔ちゃんの唇が僕の首筋や、喉の凹みに降りていった。そして僕の期待通りに胸の敏感な先に唇を押し当てた。ビクンと揺れる自分の昂りを感じながら、僕は翔ちゃんの短い髪を指先で撫でた。次の瞬間ビリビリする様な快感が下半身に届いた。 さっきまでの優しい愛撫とは裏腹に、じゅっと胸の先を吸い上げる翔ちゃんに、僕はなすすべなく仰け反っていた。
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