188人が本棚に入れています
本棚に追加
翔ちゃんの本気※
素っ裸にされた僕は、何となく心細い。翔ちゃんが服を着たままだから尚更だ。
「翔ちゃんも脱いで…。僕だけなんてちょっと恥ずかし過ぎるから。」
僕がそう言うと、翔ちゃんは黙って上半身を曝け出した。何度見ても僕の想像の遥か上をいく逞しさに、僕はゴクリと湧き上がってくる唾液を飲み込んだ。
「…かっこいい。ね、これ僕のもの?」
すると翔ちゃんは、大きくため息をついて僕を睨んだ。
「侑が可愛過ぎて、ほんと無理なんだけど。でも怖かったら言って。…侑は男同士ってどうするか知ってる?」
僕は興奮して声が掠れた翔ちゃんを見つめながら頷いた。
「うん。多分。僕時々自分で少し触るから。でも準備とかしなくちゃ無理でしょ?」
僕の返事に翔ちゃんは、僕の首元に顔をボスンと埋めて唸った。
「…ヤバい。侑がエロ過ぎて、俺出ちゃいそう。」
それから起き上がると、さっきよりも赤らんだ顔で僕を見つめて囁いた。
「今日はイチャイチャだけする?それとも慶太が帰って来るまで2時間ぐらいあるから、…シャワー浴びる?」
これは僕に準備をしろって暗に仄めかしているのかな。僕はチャンスを逃したくはなかった。今度翔ちゃんに会えるのがいつになるのか分からないし。僕はゆっくり起き上がると、スルリとベッドから降りて立ち上がった。
「…翔ちゃん、ジェルとか、必要なもの持ってる?」
後ろからそっと抱き寄せられて、翔ちゃんが耳元で囁いた。
「持ってる。俺に準備手伝わせて。」
僕は思わず息を呑んで頷いた。ああ、もう心臓がおかしくなる!
結局恥ずかしすぎる下準備だけ自分でやらせてもらって、僕たちは一緒にシャワーを浴びた。シャワージェルでお互いを洗いっこするのは小さな子供の頃以来だ。すっかり大人になってしまった僕らは声を潜めた。
『結構響くからな…。声我慢できる?』
翔ちゃんの逞しいそれがお僕のお尻をなぞって、すっかり興奮してしまった。思わず手を後ろにやってすっかり立ち上がったそれを握ると、僕は肩越しに翔ちゃんの耳元で呻いた。
『翔ちゃん、声我慢できる?』
シャワーの音にかき消されながら、翔ちゃんはジェルを使って僕の中をゆっくりなぞった。翔ちゃんの指は僕より太くて、全然別物だった。僕は息を吐きながら、何とも言えないその感覚にドキドキするばかりだった。
自分でしても違和感しか無かったのに、翔ちゃんにしてもらうと焦れる様な、多分気持ち良さの様なものを感じた。それに時々目に入る翔ちゃんの股間のそれが張り詰めていて、あまり触れさせてはもらえなかったけれど、僕を欲しがってくれている証拠の様で嬉しかった。
ふらつく身体を抱き止められて、翔ちゃんはサッと僕と自分をタオルで拭いた。それから僕の脱いだ下着を持って、手を繋ぎながら二階の自分の部屋へと連れ戻った。階段を上がるたびに、僕のドキドキが音を立てて床に転がった。
部屋の鍵を閉めると、待ちきれない様に僕らは唇を押し付け合った。僕の唇の中へ翔ちゃんの舌が割り入って来る頃には、呻きながらベッドへと横たわった。浴室で裸を見たのに部屋で素っ裸なのは、これから起きる事を想像して何とも気恥ずかしい。
でも翔ちゃんが僕の全身をキスしてドキドキが高まると、そんな事はもう何処かへ行ってしまった。翔ちゃんが僕の張り詰めたそれにキスすると、僕はあまりにも気持ち良くて、思わず声が出てしまった。
僕がハッとして口に手を当てると、翔ちゃんは起き上がって音楽を掛けた。少し騒がしいくらいの音楽は僕をホッとさせた。僕にのし掛かりながら、翔ちゃんは強い眼差しで僕を見下ろして囁いた。
「侑の可愛い声、もっと聞きたい。聞かせて?」
最初のコメントを投稿しよう!