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人文 -言葉や記憶系全般を指す-
『魔法印』
……文語系中等魔法。言葉とはまじないであり、祈りであり、お守りであり、鎖であり、呪いでもある。それらを分かりやすく可視化したものが名であり、魔法陣であり、呪符である。この魔法は、対象へ文字を施し、意味で縛る。大抵は魔語を使用する。
本書で言うところの”襲名”とは、文字通りの意味の他この魔法のことも指す。
〈提出者:ハノン=ヴェルダー〉
『相言葉』
……誓言系高等魔法。錬金魔法にて精製した指輪を器に、誓いの言葉を乗せる。
この時指輪のデザインだが、中央に窪みをつけたシンプルなものとする。
対象二名の想いを言葉にし、刻み付けた誓言書を燃やし、生じた灰煙を結晶化したものを「意石」と呼ぶ。これは対象二名の互いの瞳の色をとる。
尚、その意石は、どんなカップルにも出現するわけではない。想い合い、互いに心をかける双方にのみ、発動したその時より現れる夫婦の絆の証は、政略結婚や強引な結婚等、独りよがりなものにおいて意石に色が入らないのですぐにそれと分かってしまう。然しながら、始め独りよがりだったそれでも、共にする年月の中で相手の心が寄り添い始めたその時より、じんわりと瞳の色が入っていく。
誓いを一方でも違うか破棄すると魔法失敗となり、指輪は塵となる。
〈提出者:アルメリア=ベリーツィヒ〉
『カーボン用紙』
……文語系初等魔法。一つ対象を見続けていると残像が目に焼き付いてしばらく離れなくなる現象がある。これを、意識して”見る”(魔力を以てして対象をなぞる)ことで、別媒体に写すかコピーを作り出す。術者が解術するまで持続可能である。
〈提出者:ハノン=ヴェルダー〉
『拡声器』
……音声系中等魔法。文字通り、術者のタッチした物と同様の物を媒体とし、伝達させる。すなわち電燈をタッチしたらその町の全電燈が、ブローチをタッチしたら同メーカーの全ブローチが、拡声器と化す。
〈提出者:メルヴィル=リンドン〉
『霧の中』
……操作系高等魔法。"忘れている"とは、"思い出せない"だけである。この魔法は対象の記憶中枢に働きかけ、術者指定の記憶に認識阻害をかける。対象はその記憶映像が霧がかったようになるので、あとは対象は、他者と記憶をすり合わせるも真実と違う記憶映像を捏造するも自由である。尚媒体(きっかけ)は、声、吐息、振りかざされた手の動き等何でもよい。
〈提出者:クリスティン=ハルム〉
『差出人不明』
……伝達系高等魔法。例えばあなたが何か事故に鉢合わせて急ぎ通報しなければならないとする、例えばあなたが急用ができて相手方に電報か手紙を出したいとする。そんな時にこの魔法が解決の一助となるだろう。
現代は電話が普及してきた時流にある。ポリスや役所各位には不慣れではあるものの既に出回っていることだ。然し庶民層には手の届かない代物である。
この魔法は電話の真似事だ。片手で送信地域の地図(展開図を下敷きに)を出力、送信場所を指し示したままもう片手にはキーボードを作成、文字列を打ち込みenterで送信とする。一方通行な電報なので送信確認が取れないところが難点だろうか。
〈提出者:イルベール=ブルトン〉
『潜水者』
…… 系高等魔法。対象の記憶を汲み取る。
〈提出者:ウルル=ハニーシッポ〉
『密々話』
……伝達系高等魔法。秘密の話をする時は周りの耳が気になるものである。そんな時自分たちにしか伝わらない言語があったら……この魔法は、コンタクトを取った対象間に言語的相互認知を施し(設定し)、言語中枢に働きかけ、術者の設定した言語で情報伝達・思考共有を図る。
この設定言語は、術者が理解・習得していれば対象が習得していなくても相互理解が可能となる。逆もしかりで、例えば術者が野鳥とコンタクトをとることができたなら術者は鳥語を解することができる。
〈提出者:ココエ=バートレイ〉
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