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言葉の拙い無垢な双子アイドルにしては雰囲気がやけに鮮烈すぎる。
…何か…禍々しいというか、強く惹かれる闇みたいなものがある。
いや衣装のせいなだけな気もしてきた。黒を基調とした飾りの少ない高貴で大人しい衣装、デビューしたてのアイドルにしては不自然だ。
うん、とはいえ彼女らはおかしいくらいに美しい。
どうしようもなく光が蔓延った嫌な世界に、闇を宿すアイドルが現れた。それは黒い翼を眩しいスポットライトの下で羽根伸ばしするような…
あぁ、もう真夜中じゃないか。
僕は1人飯も風呂も用意されていない部屋で彼女らについて考える以外放心状態だった。
これが余韻というやつだろうか。
ここまで没頭したのは人生で初めてだった。
僕にとって彼女らの異質さは興味へ、そして目の離せない愛情へ変わっていった。
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