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夢を想像する
昨日は秋クラスで、5年生のルイ君が作文を書いていた。
「わたしの夢」
彼の両親は医師で、父親は大学病院、母親は開業医。勿論、彼の夢も医師なわけで、
「世界には、病院や医師や薬がなくて、助かる命が助からない国も沢山あるから、そういう国で働く医師になりたいです。」
みたいなことを綴っていた。
俺は、あまりに立派な夢に感心してしまった。
世襲や後継という、暗黙のうちにレールが敷かれているのとは少し違って、親の背中を見て。なのか、刷り込みなのか、親と同じ道を歩む政治家や芸能人やスポーツ選手は多い。俺の家はごく普通のリーマン家庭だから、レールはない。
刷り込みと、しいて言えば野球くらいで、俺の意思があったわけではないが、幼稚園に入る前から父の草野球チームに付いて行った。
夢は当然プロ野球選手だった。
いつからそう思わなくなったのか、大それた夢と現実に気づいたのは…。
「俺の人生のピークは小学四年生だな」
と言うと、母は
「どんな人生の、どんなピークよ」
と笑ったが、2分の1成人の頃。全てがばら色だった気がする。
俺の夢とか、将来とか、進むべき道とか、そういう類いのヤツは何処にあるのだろう?
あるのか?
いや、そんな呑気に構えているほど、将来は遠くはないだろ。
「夢は見るものではなく、叶えるもの」
って誰かが言ってた。
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