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* * *
「……だから僕は追いかけたんだからね? それなのに、ふたりともなぜ逃げた!?」
口髭グラサン、もとい小林さんはカンカンに怒っていた。
「いやぁ、すみません。記憶飛んじゃってたもんですから〜。ねぇ?」
黒ボランティア、もとい村田さんは苦笑いを浮かべている。
「そうそう。あんなに勢いよく追いかけてこられたら普通逃げますよ?」
堪らず俺も苦笑いを浮かべた。
あの後、俺たちを追いかけてきた小林さんから説明されて、俺たちはすべてを思い出した。
そもそもこれは、警察官の俺が不審者の彼を追いかけていたという話ではなく、実は不審者の彼が道端の草取りをしていたボランティアさんだったという話でもなく、はたまた、ふたりのヤバい男による追いかけっこの話でもない。
つまり、コトの真相は……
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