36.8°c

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柔らかい毛布とマットの狭間 僕は君の薄皮を剥ぐ様に 君の香りを深く纏うその布は 甘い声を上げて床に舞い散る 赤子と変わらぬ姿で いじらしく鳴く貴女は 今日の獣であり 僕の主役でもある 貴女か僕か分からなくなった 混ぜ合わさるその蜜に 委ねた激情を消化して 重なる熱を冷ました僕らは 平熱より暖かい身体を寄せて 控えめに微笑む貴女の手が 僕の背を包む幸せ
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