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同中の辺見樹と俺、朝比奈拓海は樹が中二で転校して来てからの仲だ。地元の駅から自宅までの帰り道途中に樹のマンションがある。こいつは梅雨時にも関わらず、朝降っていなければ決して傘を持っては来ない。
「折り畳みくらい入るだろうに」
「俺折り畳み嫌い。畳めない」
「何だよそれ…」
俺より3センチ低い頭を寄せてくる。
傘の中なら大丈夫。誰にも何も言われない。誰にも邪魔されない。
こうやって触れ合う距離にいても…。
下らない話で笑うその顔も、触れ合う肩も、今だけは全部俺だけのものだ。
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