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「隣にどうやら家族が引っ越してきたんですって」
「まあ!どんな方々なのかしら?」
使用人達の他愛もない声が聞こえてくる。俺が嫌な顔をしながら無言で通り過ぎようとするも
「旦那様の妾の子だわ!ほんとやだ!愛人の女は消えたみたいよ!」
「あー、可哀想に。だからあんなに陰湿なのかしら?汚らわしい汚らわしい!」
と冷やかに嗤う使用人に舌打ちをしながら家の外に向かう。
どうせ今日も、報告をされ座敷牢に入れられるのだろう…憂鬱を振り払い、使用人達の言っていた〝越してきた隣人”が気になり物陰に隠れ隣の家を観察してみる。
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