高校3年 冬 秘密

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鍵を解除する音が聞こえ、ドアが開いて先生の姿が現れた。 「…どうした?」 「…」 用事なんてない。 ただ先生に会いたかっただけ。 うつむいたまま先生の顔を見れなかった。 「もう暗いし、家に帰れ」 「…」 私は下を向いたまま何も話せない。 「…」 「…」 「…雨の中、傘をささなかったのか? 持ってるのに?」 私は手に持ってる傘を見た。 「だって邪魔だったから」 ふと顔を上げて先生を見た。 先生の瞳が揺れている…。 先生はスッと視線を逸らせて、しばらく黙った。 「…服、濡れてる。 寒いし、とにかく中に入れ」 先生は後ろを向いて 部屋の奥に入って行った」
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