11人が本棚に入れています
本棚に追加
鍵を解除する音が聞こえ、ドアが開いて先生の姿が現れた。
「…どうした?」
「…」
用事なんてない。
ただ先生に会いたかっただけ。
うつむいたまま先生の顔を見れなかった。
「もう暗いし、家に帰れ」
「…」
私は下を向いたまま何も話せない。
「…」
「…」
「…雨の中、傘をささなかったのか?
持ってるのに?」
私は手に持ってる傘を見た。
「だって邪魔だったから」
ふと顔を上げて先生を見た。
先生の瞳が揺れている…。
先生はスッと視線を逸らせて、しばらく黙った。
「…服、濡れてる。
寒いし、とにかく中に入れ」
先生は後ろを向いて
部屋の奥に入って行った」
最初のコメントを投稿しよう!