11人が本棚に入れています
本棚に追加
夫になる人の生温かい唇を感じながら、閉じた目を薄く開けると、視線のそこに、貴方が私を見つめていた。
刺すような貴方の視線。
甘い微熱。
静かに燃え続ける青い炎…。
目の前の夫となる人の顔に、貴方の顔が重なる。
これから私は、唇付けているこの夫になる人と
生活を共にし、同じものを見つめ
数えきれない時を刻むことになるだろう。
そして、いつか子供が産まれ、一つの穏やかな家族が出来上がる。
そうして、夫が医院長になり、私が理事長になり、橋田総合病院は、永遠に引き継がれていく。
最初のコメントを投稿しよう!