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少しずつ父と共に進んでいくと、1番後ろの長椅子に座っている、友人達の顔が見えて来た。
ベールが下がっているから、友人の顔がよく見えない。
それで、友人の中で、1番壁側に、一つ分頭が飛び抜けた男性の姿がみえた。
航先生…
どんなに離れていても、どんなに周りに人がいても、先生のことだけはわかってしまう。
その輪郭は誰よりもクリアで、前を向いていても、私の目にはもう先生しか映らない。
ーーピシャンッー
私の耳元で、靴に踏まれ、水が跳ねる音が聞こえて、そっと目を閉じた。
あれは、高校3年の卒業式の日…
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