久し振りの一緒の風呂

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久し振りの一緒の風呂

そのまま彼に手をひかれて寝室へと向かった。 「遥琉さん、先に寝てて」 「なんで?」 「すぐ行くから」 「だからなんで?理由を言ってもらわないと困る」 「だからその……」 「もしかして具合が悪いのか?それとも小腹がすいたか?」 「そういうことじゃないの」 首を横に振った。 「お風呂まだ入っていないからシャワーだけ浴びようかなって」 今にも消えそうな声で気まずそうに言うと、 「未知、いつも言っているだろ?立っている者は親でも使えって。陽葵をみててって言えば誰かしら手を挙げてくれる。なんできみはそういつも遠慮するかな」 「だってみんな忙しそうだったから」 「それとこれは別だろ?ただくっちゃべっているだけだから気を遣わなくていい」 にこっと微笑むと穴が開くくらい顔をじっと見つめられた。 「何か顔についてる?」 「ついてはないが、一緒に風呂に入りたいと顔に書いてあるぞ」 ニヤリと悪戯っぽい笑みを浮かべる彼。 「え?嘘?」 両手を頬にあてた。 「それともアレか?俺とは一緒に風呂に入りたくないってか?」 「そんなことないよ」 慌てて否定すると、 「良かった。一緒に入りたくないって言われたらしばらく落ち込んで浮上できなかった」 にっこりと微笑むと、くるりと体の向きを変え、手を繋いだまま寝室じゃなくお風呂に向かった。
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