久し振りの一緒の風呂

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「お互い洗いっこしようか?」 「僕はあとでいいから、先に遥琉さんを洗いたい」 「そうか。なら、お言葉に甘えて。未知、お願いします」 彼がバスチェアに座った。 髪の毛にシャンプーをつけて泡立ててから、指の腹でわしゃわしゃと洗った。 「力加減はどう?強すぎない?」 「ちょうどいい。すごく気持ちがいいよ」 彼がまっすぐに鏡を見た。 そこには彼の後ろに立つ全裸の僕の姿がはっきりと写っていた。 「ママになっても未知は綺麗だね。思わず見惚れてしまう」 「も、もうっ。恥ずかしいからそんなに見ないで」 「何で?」 愉しそうに笑う彼。 「流すから目をつむって」 彼の意識を鏡から逸らすため、わざと勢いよくシャワーで泡を流した。 「さっぱりした?」 「あぁ、ありがとう。今度は俺が洗う番だな。こっちにおいで」 手をぐいと引っ張られた。 「きゃっ」 「全身綺麗に洗ってやる」 向かい合わせに抱っこされた。彼は相変わらず愉しそうにニコニコしている。 じたばたすれば、足を滑らせて危ない。また手を捻って捻挫したり、怪我をしたらもともこうもない。だから彼の肩や首にしがみつくしかなかった。 「ん……っ」 あたたかく湿った唇が僕の唇をそっと塞いだ。 触れあった唇の隙間から彼の舌が差し入ってきた。歯列を舐め、舌を絡めあわせながら、唾液で濡れた唇を押し付けあった。 キスの合間に熱い吐息が漏れる。 ボディーソープを馴染ませた彼の手が胸の膨らみに優しく触れてきた。
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