久し振りの一緒の風呂

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ふと気が付いたら布団に寝ていたから慌てて飛び起きた。 「起こしましたか?寝ててもいいですよ」 そうだ遥琉さんとお風呂で………。 途中で意識がぷっつりと途切れてしまいそのあとのことは何も覚えていなかった。 「橘さん、太惺と心望は?」 あちこち見回したけど二人の姿はどこにもいなかった。彼もいなかった。隣では陽葵と遥香が仲良くねんねしていた。 「未知さんを逆上せさてしまい、裕貴さんを怒らせてしまい、そりゃあもう大変だったんですよ。でも喧嘩するほど仲がいいといいますし、狭いところで仲良く寝てますよ」 「それなら良かった」 「もどしたといってもたいした量ではないです。ただ咳が出るのと、うんちがゆるゆるで水っぽいので、明日念のため上澤先生のところに連れていくと話していました」 「橘さんごめんなさい」 「なんで謝るんですか?その必要はありませんよ」 橘さんは機嫌がとても良かった。いつもなら頭に角がにょきにょきと生えているのに、今日はにこにこと笑っていた。 「久し振りにとてもいいものを聞けましたのでね、私も柚原さんも満足です」 嬉しそうにスマホを掲げた。 あっ、そうだ。すっかり忘れていた。橘さんも柚原さんも僕の声フェチだったということを。 「体は大丈夫ですか?」 「……はい、大丈夫……です」 恥ずかしくて橘さんとまともに視線を合わせることができなかった。
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