久し振りの一緒の風呂

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陽葵の泣き声がするから起きなきゃと思うのに体が鉛のように重くて一ミリたりとも動けずにいたら、 「姐さん、失礼します。ひまちゃんおいで。姐さんもハルちゃんも寝てていいぞ」 柚原さんが部屋に入ってきて、ギャン泣きする陽葵を抱き上げてあやしてくれた。 「ママは昨日ほとんど一睡もしていないんだ。ママを寝せなかった張本人はパパだ。文句はパパに言おうな。ママはみんなのママだって。ママががおって一番困るのはパパでしょうって。ママがいないとなんにも出来ないでしょうって」 柚原さんの言い方があまりにも面白くて思わず吹き出してしまった。 「柚原さんごめんなさい」 「独り言だ。聞かなかったことにしてくれ。オムツがぱんぱんに膨らんでいるせいだろう。交換すれば泣き止むと思う。汗で濡れてびっしょりだ。オムツを交換して着替えをさせても泣き止まないときは連れてくるから、それまで寝ていたらいい」 柚原さんが陽葵を連れていってくれた。目を覚ましていた遥香が、ママといいながらぎゅっと抱きついてきた。 甘えたくてもお姉ちゃんだからと我慢している遥香。頭を撫でてあげると、またすやすやと眠りはじめた。
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