真山さんと聡太くん

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「嘘………そんな………」 言葉を失った。 聡太くんの小さな小さな右足には煙草を押し付けられたような痕がくっくりと残っていた。 「陽葵とさほど月齢が変わらない、産まれたばかりの聡太くんになんでこんな酷いことが出来るの」 胸が痛くしめつけられるようで涙がつきあげて来た。 「覚さんから聞いた話しだけど、真山の彼女は妊娠が分かったとき、いらないから堕ろすって医者に言ったらしいよ。でもだいぶ大きくなっていて堕ろすことが出来なかったらしい。当時同棲していた彼氏がいたらしいけど、その人には妊娠のことを一切話さず隠していた」 「その彼氏に逃げられるとでも思った?」 「その彼氏は橋本と同じ児童養護施設で育った同い年で、二人とも家族がいないから、結婚して、子どもも早く欲しい。家族を作りたい。そう言っていたらしい」 「ん?どういうこと?」 紗智さんと那和さんが首を傾げた。 「つまりアレだ」 「アレ?」 「聡太の父親は彼氏以外の男ということだ」 痺れを切らした彼が二人に言うと、あぁ、なるほど。ようやく納得したみたいだった。 「なんか訳アリって感じだね」 「訳アリでもやっていいことと悪いことがある。聡太くんが一体何をしたの?喋れないから泣いて訴えるしか出来ないんだよ」 紗智さんが怒りを露にした。
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