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先生と共に花壇に行くと、数人がもう手入れを始めていた。見るとそれほど荒れていない。これなら早めに終わらせられるかもしれない。
私は他の人と協力しながら、倍速で終わらせた。
先生が労いの言葉をかけていたが、私はその横を通り抜け、教室に戻っていった。
教室に戻ると、祐人達の姿がなかった。もしかして帰ってしまったのだろうか。
自分のカバンを掴み、靴箱まで走っていく。そして校門を出ると、祐人が葉山くんを止めて、何か話しているのが見えた。葉山くんは愛想笑いをしている。そろそろ会話のネタがなくなってきているらしい。
すると祐人が顔を上げて私を見て、明らかにほっとした表情をした。葉山くんも振り返り、私を見た。
「葉山くん!」
カバンに手を突っ込み、そう呼びかけながら駆け寄る。すると葉山くんは走って逃げていった。
「「えっ」」
私と祐人の声が重なる。なぜ逃げるんだ。
「若ちゃん。追いかけるよ!」
そして祐人も走り始める。その後を私も慌てて走る。
葉山くんはサッカー部のため、めちゃくちゃ足が速い。どんどん距離が空いていく。
隣を走る祐人が話しかけてきた。
「僕、ギア上げるね。若ちゃんは僕の後をついてきて」
そして祐人は私を置いて、スピードを上げた。
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