263人が本棚に入れています
本棚に追加
/67ページ
膣トレボールと一緒にアザミからもらった香油を手のひらに垂らすと、自分の後孔と膣トレボールに塗りたくる。
淫具を使うのは初めてじゃない。
これまで沢山の客に何度も使われてきた。
だが、こうやってコソコソと一人で使うのは妙な背徳感がある。
マツバはあまり言い訳が得意な方ではない。
嘘をつくのもすこぶる下手くそだ。
誰かに見つかったりでもしたら…
念のためもう一度確認しておこう。
マツバはも入り口の方に目を向けた。
するときちんと閉めたはずの片側の襖が少し開いていて、そこから覗く誰かの目とバッチリ目が合ってしまった。
「ひっ!?誰!?」
マツバは慌てて後退りする。
襖がゆっくりと開き、覗き見ていた人の姿が現れた。
短い着物からすらりと伸びた手足。
華奢だがマツバより身長が高く、肌は雪のように白い。
言わずもがな整った顔立ちだが、同じしずい邸の中では見たことのない顔だった。
「こんにちは〜はじめまして。あやしいものじゃないよ、菖蒲っていいます」
マツバの警戒を解こうとしているのか、菖蒲が自己紹介とともにえへへ…と笑う。
「菖蒲…さん?」
「安心して。菖蒲も一応しずい邸の男娼だから。訳あっていたりいなかったりするけど」
ふわりと微笑む菖蒲の顔は嘘をついているようには見えない。
剥き出しの生足や着物姿は明らかに娼妓っぽいし、部外者ではなさそうだ。
マツバは自分の名を名乗ると、菖蒲を部屋に招き入れた。
「さっき持ってたやつ、なあに?何しようとしてたの?」
「え、えっと…」
菖蒲にはしっかりと膣ボールの存在を見られている。
今更いいわけもできないと腹を括ったマツバは頬を染めながらぽそりと呟いた。
「あ、あの…ト、トレーニングしようと思って」
「ああ、お尻の孔の開発の事!」
静かな部屋に響いた声にマツバは飛び上がると、すぐに菖蒲の口元をおさえる。
「しーっ!!そんな大きな声で言わないでくださいっ!でも広げたいわけじゃなくて…ひ、ひき締め…たいん、です」
言いながら恥ずかしくなってきて語尾が尻すぼみになっていく。
最初のコメントを投稿しよう!