甘い痛み

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凄まじい快楽に襲われ、マツバの視界は一瞬真っ白になる。 と同時に、首を振る陰茎から小さな飛沫がプシュッ、と上がった。 「またイったのかい?これで何回目かな」 フッと息を吐きながら西園寺が濡れるマツバの腹部をなでてくる。 言葉を返す余裕のないマツバは、荒く息を吐きながらその指先の動きを見つめていた。 西園寺の長い指にマツバの吐き出したものが絡みつく。 指先で弄ばれた粘液らいやらしく糸を引きながら、またマツバの腹の上に戻ってきた。 たとえ分泌液だろうと、自分のものが西園寺に触ってもらえるだけで幸せを感じてしまう。 もっと深く繋がりたい。 好きにされたい。 全身全霊を捧げたい。 そう思えるのは西園寺だけだ。 西園寺は腰を縦横無尽に操りながら、マツバが一際感じる場所を探り当て、そこを執拗にせめてくる。 マツバはそのたびに褥から背中を浮かせてひんひん喘いだ。 襞が捲りあがりそうなほど激しいストロークと、内側全体に響くようなゆったりとした抽挿に、全身がとろとろに溶かされていく。 まるで自分がチョコレートになったような気分だった。 このまま丸ごと食べられて、彼の一部になれたらとさえ思ってしまう。 そうしたらもう、離れなくてすむのに… 思わずぎゅっと中をしめると、西園寺がうっと小さく呻いた。 いつも鷹揚で、平静を崩さない西園寺の額に玉の汗がいくつも浮かんでいる。 「かわいいことをするじゃないか」 そう満足げに微笑むと、唇をぺろりと舐め上げ、今度はマツバをうつ伏せにして後ろから突き上げてきた。 「はひっ…や…っ、あああっ」 足をまっすぐ伸ばし、身体が布団にぴったりと密着した状態で挿入されているため、文字通りどこにも逃げ場がない。 一突きされるたびに重い衝撃がズシンと響く。
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