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「あっん、はっ…っ、うっ、ああっ…」
重く深い快楽がとめどなくマツバを襲う。
太い肉棒が、入口から奥深くまでを何度も往復する。
結合部から響くグポグポという音、内臓は突き破られるそうだし、襞は今にも捲り上がりそうだ。
熱い…溶ける…苦しい…
西園寺に貫かれるマツバの肉体はひっきりなしに悲鳴をあげている。
だが、心の中は多幸感に満ちていた。
このまま西園寺に壊されてしまっても、マツバは彼を恨んだりしない。
むしろそれを喜んで受け入れるだろう。
「マツバ、こっちを向いてごらん」
激しい腰つきとは裏腹に、甘く蕩けるような声と手つきで顔を後へと向けらた。
涙と唾液でぐちゃぐちゃに濡れたマツバの顔を見て、西園寺がフッ、と目を細める。
そして、今日初めての口づけが落とされた。
西園寺の唇の感触と、潜り込んできた舌の熱さに、マツバの多幸感は更に増幅する。
嬉しい、嬉しいと必死に絡みつくマツバの肉の動きに引っ張られるように、西園寺の昂りが一気に中で爆ぜた。
熱い飛沫がマツバの中をしっとりと濡らしていく。
その感触にも感じてしまい、マツバはまた絶頂を極めたのだった。
「今日もかわいかったよ、ありがとう」
激しいセックスの余韻が残るマツバを甲斐甲斐しく介抱しながら西園寺が礼を言ってきた。
大抵の客は抱くだけ抱き満足するのだが、彼は毎回事後はマツバの身体を丁寧に拭き、着替えを手伝ってくれる。
そしてありがとうと礼を言ってくれるのだ。
「ご満足していただけたのならマツバも嬉しいです」
掠れる声で答えると、西園寺は柔らかく微笑みマツバの唇を指でなぞってきた。
「頑張ったご褒美をあげよう。ほら、口をあけてごらん」
あ、と口をあけると、そこにまた小さな茶色の粒が乗せられる。
マツバの大好きなチョコレートだ。
今度は少しビターなチョコレートだった。
甘さ控えめで大人の味だが、余計な甘さがない分チョコレート本来の味がして美味しい。
何より疲れた身体にチョコレート味が染み渡る。
口の中で転がしながら味わっていると、そこに突然甘さが飛び込んできた。
西園寺がなんの前触れもなく口づけてきたのだ。
チョコレートが入ったままの口の中に肉厚な舌がにゅるりと潜り込んできて、溶けかけたチョコレートとねっとりと混ざり合う。
まるでお互いの唇や舌がチョコレートそのものになったような感じだ。
マツバも舌を必死に動かして応えていると、キスの合間に西園寺が呟いた。
「このまま攫ってしまいたいよ」
その日食べたチョコレートは今まで食べたチョコレートの中でもっとも甘く、忘れられない味になったのだった。
end.
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