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気心知れた人ならまだしも初対面の菖蒲に悩みを知られ、あまつさえその現場を目撃されてしまうなんて今すぐどこかに埋まってしまいたいくらいの恥だ。
「なーるほど。きゅうきゅう締めつけて離さない孔にしたいんだ?」
あからさまな菖蒲の言葉に再び顔が熱くなる。
だが、つまりはそういうことで間違いない。
マツバは俯くと小さく頷いた。
「っ、は、はい…」
「恥ずかしがらなくていいじゃない。男を肉体で繋ぎ止めたいっていうのは誰にでもあることでしょう?特に気に入ってる相手なら」
菖蒲はそう言うとふふと笑う。
すぐに西園寺の顔が頭に浮かんだ。
シャープで凛々しい精悍な顔立ちも、自身に満ち溢れた佇まいも、時々意地悪だけど優しくてすこぶる紳士なところも全部全部好きだし、叶うならば独り占めにしたい。
他の娼妓に盗られるのだけは絶対嫌だ。
「ね、菖蒲が手伝ってあげようか?」
菖蒲が突然提案してきた。
「え?」
「菖蒲ね、こういうのすご〜く得意なの。いつもやってるからやり方もわかるし」
唇に人差し指をくっつけながらあやしい笑みを浮かべる菖蒲。
悪い人ではなさそうだが、何だかあまりいい予感はしない。
しかし、やり方がわかるという菖蒲の言葉には大いに惹かれた。
気がつくと
「お願いします」
と言ってしまっていた。
「じゃあまず、約束。菖蒲の言う通りにしてね。菖蒲が先生だから」
「は、はい」
「それじゃあ、裾あげて足ひらいてくださ〜い」
指導者のような口ぶりで菖蒲が指示してくる。
少し躊躇いながらも、マツバは言われた通り着物の裾を捲りあげた。
下着はつけていないため、すぐに性器が露わになる。
見られることが仕事とはいえ、この瞬間はいつも恥ずかしい。
そんなマツバの羞恥をよそに、菖蒲はまじまじとマツバの秘部に視線を注いでくる。
「ほうほう、さすがしずい邸のマツバさん。かわいらしいサイズですね〜」
菖蒲はそう言うと、羞恥心で勃ちかけているマツバの陰茎にふっ、と息を吹きかけた。
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