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奥の畳の部屋に来た紅鳶は改めてなぜそういう格好をしようとしたのか訊ねた。
アオキの言い分はこうだった。
友人であるマツバから、最近(八月二日のバニーの日に)バニーのコスプレをして客と盛り上がったという話を聞いた。
マツバの客はバニー姿のマツバをいつも以上に可愛がり、それはもう大いに興奮してくれたため自分もしてみたいと思った。
衣装は衣装部屋から借りてきた、という。
また入れ知恵されたのか…
紅鳶はやれやれとため息を吐いた。
アオキはかなり真面目でとても純粋だ。
言われた事は率直に受け止めるし、また一度決めたらねじ曲げない強い心の持ち主でもある。
アオキのそういうところが愛しくてたまらないところでもある。
きっと今回も紅鳶の気を引くために、アオキなりに模索しながらやってくれたのだろう。
紅鳶はチラチラとこちらの様子をうかがってくるアオキの前に胡座をかくと、両手をとった。
「正直、アオキのその姿はかわいい。今すぐにでも食ってしまいたいくらいだ。だがいいか、アオキ。俺は別に変化を求めていたりはしない。アオキはそのままでも充分魅力的なんだ。だから無理して俺の気を引こうとしなくていい」
な?と笑って見せると、アオキは僅かに微笑んだ。
だがすぐに真剣な眼差しになると、紅鳶の手をギュッと握り返してくる。
「ごめんなさい。紅鳶様の気持ちはとても嬉しいです。でもわかりました、とは言えません。だって俺いつまでもこのままじゃないんですよ?シワだってシミだって増えてくるし、体力も魅力もなくなってくる。だから俺…少しでも俺のカラダが若いうちに紅鳶様に楽しんでほしくて…」
前のめりになって距離を詰めてくるアオキの開いた衣装の隙間からピンク色の粒がチラリと覗く。
紅鳶は一瞬目をそらそうとした。
だが白い肌に浮立つそこはツンと尖り、まるで弄ってほしいとねだっているかのようで目が離せない。
よく見れば、正座をしているせいかむちむちとした太ももに挟まれた股間のあたりもかわいらしい膨らみもできている。
「紅鳶さま…」
紅鳶は再びふーっと息を吐いた。
これ以上頑張らなくていいとアオキに理解してもらうまでは手を出さないと決めていたのに、視覚がかなり蠱惑的でやばい。
かなり理性が揺さぶられている。
紅く小さな唇が紡ぐ声も、上目遣いな瞳もアオキが動くたび揺れる頭の上の耳も。
うさぎの破壊力を完全に舐めていた。
紅鳶はアオキを畳の上に押し倒すと、自分の着物の襟をグイと緩めた。
「あ〜くそ、話は後だ。望み通り食うからな、後で泣くなよ」
理性をかなぐり捨て、雄の欲望をむき出しにした紅鳶に向かってアオキはようやく笑顔になった。
「俺はずっとあなただけのうさぎです」
end.
この二人だとこんな感じ?なオマケでした🐰
ありがとうございました!
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