263人が本棚に入れています
本棚に追加
/67ページ
「ちょうどいいもん持ってきてくれたみたいだし、これで遊ぼうぜ美人のにいちゃん」
汚い笑みを浮かべたパンチパーマの男がアオキの持ってきたカゴから淫具の一つを取り出した。
それは本来アオキの客が選ぶはずだったものだ。
男はスイッチを押すと、ブルブル振るえる淫具を見て舌舐めずりをした。
そして身動きの取れないアオキにゆっくり近づいてくる。
「んんっ…!!っっ!!」
「おい、動画も撮っとけよ。スケベな喫茶店の中でレイプ動画、こりゃ高く売れるぜ」
スキンフェードの男が命じると、淫具を持った男がスマホを取り出し片手で撮影しはじめた。
卑劣すぎる男たちの行為にはらわたが煮えくり返りそうになる。
自分の淫らな姿が、知らない場所で拡散され広まったりなんかしたら人生はどうなってしまうのだろうか。
もし自分に力があれば、こんな男たち捻り潰してやるのに…
悔しくて、情けなくて目頭の奥がじわりと熱くなってくる。
泣いたらダメだ。
アオキはグッと喉に力を込めた。
泣けばこいつらの思うつぼになる。
今アオキにできることは何をされても動じず反応しないことだ。
だが、一度溢れてしまった涙はアオキの意思とは裏腹に頬を伝っていってしまう。
それを見た男たちが一斉に下卑た笑みを浮かべた。
「おー、泣きが入るといいじゃねぇか。安心しろよ、すぐにその涙も気持ちいい涙になっからさ」
スキンフェードの男がアオキのスカートをめくろうとしたその時だった。
突然、目の前にいたパンチパーマの男が消えた。
あまりにも速くて一体何が起こったのかわからないが、とにかく目の前にいた男がアオキの視界から消えたのだ。
「…あ?なんだ?」
テーブルの上に乗りアオキを押さえつけていた金髪の男が異変に気づき、背後を振り返ろうとする。
と、次の瞬間。
金髪の男がグェッ、と奇妙な声を上げた。
最初のコメントを投稿しよう!