ゆうずい邸の男たち

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ダラダラとする紅鳶に、元気いっぱいな青藍。 全く個性的な奴らだらけだなここは… 漆黒は煙草をふかすと、ふと思い立ち青藍に訊ねた。 「青藍、お前幼少期に劇か何かで桃太郎役やったことあるだろ」 「え!?ちょっと漆黒さんなんでわかるんすか!?俺のストーカーすか?」 「やっぱりな」 「俺あんま覚えてないんすけど、そりゃあもうハマり役だって言われてむちゃくちゃ好評だったらしいっすよ!ファンクラブとかまでできちゃったとか」 「だろうな」 小さい頃の姿を見たことはないが、頭にハチマキを巻きお供を連れて鬼退治に行く姿がこれほどハマる男もいないだろう。 ファンクラブは盛りすぎだろうが。 すると、青藍が漆黒の顔をじっと見つめてきた。 「なんだ」 「いや、もし俺が桃太郎なら漆黒さんはなんだろうなと思って…犬?犬かな?いや、毛深いなら猿?猿にしちゃデカいか?」 ぶつぶつと呟く青藍の言葉に、漆黒は思わず吸った煙を吹き出した。 「おいっ!!なんで俺がお前のお供なんだ!?」 「強いて言うなら熊かな…いやでも熊は金太郎だしな」 「おいっ、人の話を聞けよ」 しかし青藍は漆黒のツッコミなど全く気にする様子もなく続ける。 「紅鳶さんは…犬かな?賢いから雉っぽそうだけど、雉よりは力ありそうだしな…ん〜見た目のイメージなら狼だけど、それまた別の話になるし」
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