263人が本棚に入れています
本棚に追加
/67ページ
半開きの口から出てきた舌が唇をペロリと舐める。
すると、菖蒲は片手でマツバの陰茎を掴みもう片方の指を使って自らの秘部を拡げてみせてきた。
少し盛り上がった赤い襞が、まるで鯉の口のようにクパと拡がる。
そこはすでに準備万端のように濡れて蕩けているのがわかった。
マツバは一瞬で青ざめた。
「ちょ…ちょっと菖蒲さん…!?待ってください!!ま、まさか…」
「あは。マツバの童貞、菖蒲がもらってあげるね」
語尾にハートマークでもついてそうな甘い声で菖蒲が囁く。
「ちょ…だめ…っ!!だめです…!!」
マツバは何とか阻止しようともがいた。
まさか挿れる方だとは思ってなかったからだ。
いや、挿れられる方だとしても阻止はするが…とにかくこれはマツバの目的であるトレーニングではない。
断じて。
しかし、菖蒲はマツバの抵抗をものともせずに目的を成し遂げようと腰をおろしていく。
黙っていればバレないだろうが、前を知ってしまったマツバは多分西園寺の前で平然としてはいられないだろう。
もしもマツバが菖蒲に挿れた事を西園寺が知ってしまったら…
しずい邸の男娼としてマツバを抱く事を躊躇うかもしれない。
そうなったらマツバの人生はもうおしまいだ。
ああ…誰か助けて!
そう思った次の瞬間。
ピシャリと襖が開く音がした。
最初のコメントを投稿しよう!