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この国はもう、ある意味で終わっている。
十年前に起こった世界最大の巨大地震で、日本はもう終わったものとされていたが、今に至ってはそれはもう昔の話。
日本は十年で見違えるように変わったのだ。ほとんどもう地震での建物破損はなくなり、綺麗さっぱりに治っている。
それに、今もこうして当たり前のように学校や会社に人々が行けている。
十年前までは、こんなのまだまだ先のことのように皆が思っていたのに。
今はこうして、いつかの時のように平和に暮らせている。
これは、すごくありがたいことなのだが、この少年。絆火に関してはそうはいかないらしい。
確かに、十年前までに比べたら、世界はすごく良くなったのかもしれない。でも、それは外見だけの話だ。
どういうことかというと、日本は確かにもう働けるくらいにより良くなったけど、それは外見だけ。外見だけみればいいものだが、ちゃんと中身もみないといけない。そう、それは人々の様子だ。
あの地震が起きてから国はすぐに動いた。だけどそれは人々のためではなく、社会復帰のために。
正確には、経済を回すために努力した。つまり、裏で食料問題なので苦しむ人々はほったらかしの状態。
そのせいで一体何が起きたのか?
それは国への対抗。一部の地震での影響で働けなくなった人たち。国に反対する者たちは、反乱を巻き起こしたのだ。
――今、この日本では様々な地震が原因での反乱が、各所で勃発していた。
もうこれは、国に抗った小さな戦争と言っても過言じゃないだろう。
絆火もそれに気づいて、もううんざりしていたのだ。この世界は醜く汚れているということに。
世界は、あの地震から一歩も進歩していない!!
「――このままじゃ、本当にいずれこの世界は壊れるだろう。」そう思っているのも絆火含む一部の人間だけだ。
味方なんて誰もいない――。
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