【episode1】少年が眠ったら…

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「そうか。」 もうあんな目に会いたくないという一心で、絆火はあんまり、魁斗に対して反応しないようにしていた。けど、次の言葉でその決意は一瞬にしてなくなった。 「なんだ興味あるのか?」 「ねぇよ!」 「コイツ本当にバカなのか??」と心の中で呟きながら、絆火が魁斗の言ってきた言葉を即否定すると、魁斗はなぜか諦めず、また同じことを聞いてきた。 「ちょっとはあるだろぉ?」 「だから、ねぇって!!」 もうそろそろぶん殴ろうかな? とか絆火が思っていたその時、いきなりあのバカが冷静な声で疑問を口にしてくる。 「てか、よく考えてみっとよぉ!」 「あ? どうした?」 やっとまともになったかと一瞬絆火は思うが、それはまた一瞬と次の魁斗の言葉で無くなった。 「転校生ってなんか漫画の第一話みたいで興奮すんなぁ!」 「………………」 白い目で見ると、魁斗はアホっぽく目の前で叫んできた。 「無視すんなってぇ!?」 と、魁斗が言った瞬間に、タイミング良く担任の先生が教室に入ってきた。さっきまで少し荒れていたクラスが秒で静かになる。みんなが静かになったことを先生が確認すると、続けて魁斗が先ほど言っていた転校生の紹介が真っ先に始まった。 「では、今日は転校生を紹介する。」 その一言にクラスはまた盛り上がった。その盛り上がりにもちろん魁斗も参戦している。絆火もみんなの異常なほどの盛り上がりに少し緊張してきた。 転校生なんて最初はどうでもいいと思っていたが、よく考えると、クラスで新しい仲間が増えるのは嬉しいことだし、もしかしたら自分と相性いい人とか来るかも? とかこの一瞬で色々と絆火が想像していると、ついにその転校生の姿が露になる時がきた。
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