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教室に入ってきたのは、小柄な女の子だった。その姿はかなり美しいに近い。綺麗な黒い髪にキラリとした青い瞳。クラス全員の目が一斉に奪われていく。絆火さえも。
「うひょ~?!可愛いィ~?!」
後ろの快徒もまるで一目惚れしたかのようにそう小声で呟いた。(絶対好きになったろ)
そして、その子は黒板の前まで来て立ち止まると、クラスの方を直視した。そのさえ、絆火と目があったかのように思える。
その時に、絆火はその子に何かを感じた。恋とかではない…何かを――。
不思議に思いながら、絆火がじっと見ていると、もうその子とは目が合うことはなかった。が、続けてその子は自己紹介を始める。
「喜原ミナです。どうか、よろしくお願いします。」
誰も想像していなかった声で、クラス全員が唖然とした。なんて綺麗で爽やかした声なんだ。
「なんかクールな子だな。」
快徒も予想していなかったギャップに、さらにその子の沼になった。いや、多分今日クラス全員の男子があの子の事を好きなっただろう。絆火はまだ定かではないが。
そして、今日クラスではずっとあの転校生、喜原ミナの話で話題になった。
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