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カッ・・・・・・・!!!!
赤々と燃え盛る巨大な太陽は、相変わらずアフリカの大地全土を灼熱の干ばつ地帯を照らし出して、ひとり大地を行くアフリカゾウのネリーを打ちのめした。
「暑い・・・!!もう倒れそ・・・う・・・」
ゾウのネリーは、熱中症になりかけの身体を気合いだけで奮い立たせて延々とこの灼熱地獄を延々と歩いた。
ざっ・・・ざっ・・・ざっ・・・ざっ・・・
乾いた砂漠のようなこの大地を、ゾウのネリーの大きな足をフラフラしながら練り歩いた。
ざっ・・・ざっ・・・ざっ・・・
ざっ・・・ざっ・・・ざっ・・・
「あれぇ?私とは別に、誰かが歩いている足音が聞こえるわ・・・?」
ゾウのネリーは、大きな道を左右に動かして辺りの音を聞き分けていた。
ざっ・・・ざっ・・・ざっ・・・ざっ・・・
「近い・・・近いわっ!!」
ゾウのネリーは、大きな耳をフサフサと揺らしてどんどん近付いていくる足音に集中した。
ざっ!ざっ!ざっ!ざっ!ざっ!ざっ!ざっ!
ゾウのネリーの尻に、熱い獣の吐息がふしゅーっ!ふしゅーっ!と撫でてきた。
・・・い、嫌な予感・・・
ゾウのネリーは、その獣の吐息の気配を感じた後ろの方をゆっくり振り向いた。
「ぱお・・・ 」
「がお・・・」
「熱いねぇ。」
「喉乾いたよぉ。」
灼熱の太陽の照りつける猛烈な熱さで朦朧とした2匹は、お互い顔を覗かせると目があった2匹は、いきなり正気に戻って硬直した。
「百獣の王ライオン・・・?!」
「おっきいゾウ・・・?!」
突然、2匹は思わずその場を引いた。
「食われるーーー!!」
「蹴飛ばされるーーー!!」
2匹は暫く取り乱したが、いつの間にか落ち着いてお互い寄り添ってきた。
「こんちは、私はゾウのネリー。」
「こちらこそ、俺はライオンのウルス。」
お互い自己紹介すると、再びだまりこくった。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「大丈夫・・・?百獣の王もこの暑さじゃ・・・」
「こちらこそ大丈夫か・・・ゾウの鼻が干からびてるよ・・・」
2匹は、お互いを打ちのめすように燦々と輝く太陽を恨めしく見上げて呟いた。
「雨降ってほしいね・・・」
「雨が欲しいぜ・・・」
「どうする・・・?」
「えっと・・・」
ゾウとライオンは雨を降らせる手段を考えながら、灼熱地獄の大地をトボトボと歩き続けた。
「あっ・・・思い出した・・・」
突然、ライオンのウルスは暑さで虚ろな目をゾウのネリーに向けてこう告げた。
「ゾウさん・・・この暑さで忘却しちゃぅたんだけど・・・君を向こうのジャングルの雨乞いに参加して欲しくて・・・君を呼んできたんだけど・・・」
「雨乞い・・・?」
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