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「もう、あの子ったら。ちゃんとお話ししてって言っておいたのに」
謙二はスマートフォンの通知を見せた。
彩子が口許に手をあて、笑った。
「じゃあどこ行ったんだ、あいつ」
「あたしには、お友達と原宿にお洋服見に行くからって」
「…そういう歳ごろなのかね」
「そうねぇ、もう高校二年だから」
謙二の中に、過ぎた時間と彩子への罪悪感が浮かび上がり、ちりちりと自分を責めた。その感情を押し込むように言った。
「立ち話もなんだし、どこか入ろう」
彩子は頷き、歩き出した謙二に続いた。
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